アマポーラ

ゆっくりと時間が流れる
日曜のあさ

巷の喧騒が嘘であったらいいのに
オリエンタルポピーはそうつぶやく

「あなたは鉄格子の中でもアマポーラの夢を見た少女のことを知ってる？」

「いやに突然怖い話しなんて？」

「そうね
ごめんなさいね
でも
これだけは心にとめておいてほしくて

いたわり・慰め・思いやり・心の平静・恋の予感・陽気で優しい、のようなポジティブな意味にはいつでも

その裏にはネガティブをのりこえた真実があった、ということを」

「それで
その少女はそれからどうなったの？」

「さあ、わたしが知ってることはねぇ
その少女の想いが
このわたしを作ったということだけ」

「そうか、日曜のあさ、ねぇ
秋の気配もそろそろだね」

yatcha john s. 「アマポーラ」