待ち遠しいロブスターのクリーム煮

2万年後の銀河

ミーターの大冒険 余白 第8話 待ち遠しいロブスターのクリーム煮

ヴァレリー ハニスさん、本日もよい日和ですね?なにかニヤニヤして。お顔の色もよろしいようじゃありませんか?

ハニス そう見えるかな。お察しのいいヴァーチャル女史。嬉しい知らせがある。それも重なってな。
 
ヴァレリー ますますよろしい兆しでしょうね?

ハニス そうなんだ。まず一つ目は、ターミナスからじきじきに市長が来られる。

ヴァレリー 素晴らしいことですこと!現役の市長ですか。ターミナスの市長と言えば、星府のトップ元首。しかも耀かしき第1ファウンデーションのリーダー。イプセン・モルガン様ですか。その方がじきじきに地球に来られるのですね!
 それでハニスさんは、ニヤニヤされているのですね。

ハニス そうだ。今ではモルガン君は、すっかりターミナスの純粋な人間として溶け込んでいる。ターミナスの名誉と全銀河の模範としての誇りを維持しておられる。尊敬すべきご人材だよ。
 ターミナスの連中は、そういうイプセンを純粋なターミナス人として歓迎し、かつての敵愾心を向けた相手の第2ファウンデーション出身であることを忘れているくらいだから、ターミナスの指導者としては、最上と言っていい。
 
 でも、ヴァレリー君、俺がニヤニヤしているわけは、それとは別なんだ。

ヴァレリー へ~!

ハニス かれの料理の腕前なのだよ!それもロブスターのクリーム煮は別品だ。
 俺とペイリーさんが例のレッドウォール事件でアルカディア家に凱旋した日の夜食がロブスターのクリーム煮だったんだ。それがなんとも忘れられない。その夜は最高の夜であり、その料理は俺の人生の中でも最高の味の料理でもあった。

アルカディア農園の西側にある「みはらしの丘」(イメージ)

ヴァレリー ああ、残念ですけど、私バーチャルといたしましては味わうことはできません。
 
 ところで、その天下の名物料理人のイプセン・モルガン様の地球訪問のお目的は?
 そのねらいは何なのですか?

To be continued …

*是非、この「レッドウォール事件」につきましては、フェイスブックのグループ「Asimov World 」の第198話の「ロブスターのクリーム煮」をご覧ください。


  

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