ブルーオーシャン理論

2万年後の銀河

ミーターの大冒険 余白 第6話 ブルーオーシャン理論

ヴァレリー ハニスさん、実をいうと、こんな風景が地球にあるなんて、ヴァーチャルとしては想像していませんでした。まさに人間様方々にとっての楽園ですね。光が燦々!

ハニス まさに!いい気分じゃないか!治りかけの俺様の体にはこの潮風がもってこいなんだよな。

ヴァレリー 正直いって、言いにくいのですが、私ヴァーチャルといたしましては、ちょっといい気分というわけにはいかないのですが。

ハニス ははは、ごめん、ごめん。いわく言いがたし、っていうわけか。ヴァーチャル女史にとっては、どっちかというと、暗闇の方が見映えがいいからなあ!

ヴァレリー 地球発祥の有機体にとっては母胎の中ですものねぇ。

ハニス その通りだ。おそらく、ロボット君たちにとっても絶好の環境ではないかもなあ。

ヴァレリー でも、なにか以前、ミーター様は、海の中でも平気だとか、お聞きいたしましたわ。あのカルガンの浜辺。銀河を震撼させたミュール事件の中心惑星。あのアルカディア様や彼女のお婆様の絵物語の舞台のようなカルガン。そしてミーター様は、その海に似たセーシェルの海辺も大変なお好みだったとかお聞きいたしました。
 ここセーシェルは、あの美しい海のある惑星セーシェルに因んでつけられたのは当然ですわねぇ。

ハニス なにをいう君みたいなデータ女史でも、たまにとんちんかんなことを言うんだな。
 この海は主にシンナックス人たちの努力の賜物だ。
 よ~く、君の演算機能をもう一度精査したまえ。おそらく君の常識機能は、今までの銀河人の既成概念に冒されていた証左かもしれない。なにせ、ミーター君とイルミナ君の努力がなかったら失われた最古の故郷の星、ここ地球のことなんて絵空事だったんだからな。そして放射能の除染とその後の地球環境の復興事業。
 よくここまで、やったものだ。呆れるほど見事じゃないかい。

ヴァレリー すみませんでした。ハニスさんのご教授でこんがらがったモヤモヤが取れてきたみたいです。
 たしか、シンナックス人の古巣は、この地球のこの場所から北東方向のニフ。今はちょっと気取って、ニフティとか呼ばれてますよね。

ハニス そうだが、最近では、そのシンナックス人は自称して自分たちのことをニフィアンとか呼んで、幅を利かせはじめている。いわば調子にのってる。けしからん!

ヴァレリー ハニスさん、それにはそれなりの理由があるっていうものじゃ?

ハニス あの大マジェラン銀河への移住派遣隊の半分の人員がシンナックス人だからな。それに、今回の地球復興の大部分は彼らの貢献の賜物だからな。やむを得ないと言えばそれまでだが。

ヴァレリー しかもです。伝説では、今の銀河に散らばった銀河人はそもそもセッツラー人ですよね。そのセッツラーの最初の星がコンポレロンで、そのセッツラーよりも早く銀河に進出したのが、今は影もかたちもないスペーサー人ですが、それよりも、早くシンナックス人たちは地球から翔び去った、とも言われております。

ハニス そうとも聞く。それはまだ伝承の枠内だ。いずれあの証古学の先生、ジャノヴ・ペロラット君が解いてくれるはずだ。

ヴァレリー まあ、あの有名な学者さんもハニスさんの知り合いなのですね。

ハニス まあね。それはそうと、こんな熱帯地方に今回なぜ君のようなベッピンさんを連れて来たかっていうことだよ。

ヴァレリー 地球の失業者・難民問題ですよね。

ハニス 唐突だが、俺は考えてここにやって来た。単なる君との逃避行なんかじゃないし、単なるヴァカンスでもない。ここに来てよかった。

ヴァレリー ハニスさん、まだここに到着して空港から出たばかりですよね。

ハニス いいや、もう途中の航空機の中で、すでに解決がついてる。

ヴァレリー 速球ですこと!

ハニス 君って地球時代のベースボールっていうゲームも知ってるのか?!

ヴァレリー おかげさまで、この太陽光線にもだんだんと慣れてきたみたいですから。ハニスさんのそのアイデアもなんとなく判ってきました。

ハニス 驚いたな。第2ファウンデーションとアルファ人の手を借りるってか?
 この海にはまだ美味しい魚がいないってか?

ヴァレリー 驚かせてごめんなさい。私はこう見えてもイルミナ様の分身、少しは第2ファウンデーションの皆様やガイア人みたいに精神感応力も具わっております。

ハニス だいぶさっきとは趣きが変わって来たんだな。

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ブルー・オーシャン戦略 | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)
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