いつか手を繋ぐ時期が突然終わりを告げて
寂しい秋の風が心に吹きすさむ頃が訪れて
すべてがゼロになったと嘆くことが何千回訪れても
なんて僕は馬鹿だったなんだろうと苦い吐息を吐いたとき
そして
何もその経験から何も学びはしないと悟ったとしても
秋の昼下がりに寂しい風に揺れて抗う
ツートンの白いすすきの姿にふっと気がつく
陽気な穏やかな暮らしが長すぎて
すっかり平和という甘さに慣れ過ぎた自分に気がつく
そして今日という日に
陽の傾く気配に心に吹きすさむのに涙も出ない
それでも
なんとかして
あの日たしかに日だまりのなか
手を繋ぎあったことを
もう一度思いおこして
昔タイダイの花咲く遠くの平原で
今は兵士たちの靴の音が聞こえ
そして近くの海で小さな美しい島を取り巻く
悪魔の気配を感じていても
この愛しい土地を飛び越してくる飛翔体
に悲しみがまして唇を噛んでも
この僕が誰かを愛して
誰かがこの僕を愛して
心を癒してくれた
その思い出の記憶があるなら
この秋の寒い風に
一輪の色鮮やかに咲き続けている花に
その姿を思い描き
敢えて精一杯の歌で称えたい
yatcha john s. Someone you loved
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