Windyで海流を観る(上野俊一 稿)

上野俊一稿

Windyで海流を観る

海図や羅針盤も無い古代の航海で頼りになるのは視覚のみ。周囲の山や島の形や位置関係を確認しながら舵を取る「地乗り航法」が基本です。沿岸を行くのは水や食料の補給の要、天候の急変などに応じ、随時寄港するためでもあります。
無論、無寄港で大海を渡った船もあったでしょうが、幸運に恵まれた例外だと思います。
特に東シナ海の海流は複雑で、流れに乗れば自然にたどり着くようなものではありません。

そんな海流の実態が実感できるサイトがあります。気象情報サービスサイト「windy」です。
https://www.windy.com/ja/-%E6%B5%B7%E6%B5%81-currents?currents,33.481,131.293,6

【海流の見方・操作法】
①「その他のレイヤー」をクリックすると右側にメニュー一覧が開く。
②「海流」をクリックする。
③左の矢印をクリックすると、直近三日間の海流の変化が表示される。
④必要によりkm/h, kt, m/sを切り替える。

海水の流れには、地球の自転や風や太陽の熱などで起こる「海流」と、太陽や月の引力によって起こる「潮流」があり、通常は区別されますが、windyで表示される「海流」は海流と潮流を併せたもので、実際の海水の動きに近いものです。

これを観ると太平洋側の黒潮(日本海流)が速さも方向も安定しているのに対し、対馬海流は速さも方向も刻々と変化しているのが見て取れます。対馬海流は黒潮の分流と東シナ海の水塊の動きによって作られますが、東シナ海の約6時間毎に逆転する潮流変化の影響を強く受けるのです。

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