2. 惑星ナックセル

ノヴェル・ミライの惑星エアルト探索

惑星ナックセル

第2話 惑星ナックセル
アーカイヴの舟

二万年後の銀河へようこそ。

かつて存在した「惑星オルビタル(P. Orbital)の面影」は、なぜ、そして誰によって消されたのか。

無数の星系を束ねた銀河文明の中で、一体のロボットがただひとつの目的に生涯を費やしていた。

その名はノヴェル・ミライ。
人間のように思考し、苦悩し、そして記憶する存在。彼の旅は、今からからさらに二万年を経て始まる、「アーカイヴの舟」シリーズの第一部、その第2章である。

「呆れたものだ . . . 。
自分で葬った歴史を、再び掘り起こさねばならぬとはな。」
ノヴェルは、自嘲の笑みを浮かべながらつぶやいた。
彼の内部記憶には、かつてラムダ・グリス(Lambda Griss)から託されたもうひとつのクロノ・ブルーム・プロセスと、銀河最高級のデータチップが収められている。

だが、それほどの資源をもってしても、惑星エアルトの痕跡を探り当てるのは困難を極めた。
ノヴェル自身の反クォンタム頭脳(Anti-Quantum Brain)の余命は、あと五百年。
彼は千を超える星系を渡り歩き、ついに水に抱かれた辺境の惑星にたどり着いた。

その名は惑星ナックセル(P. Nackcell)。
名前を耳にした瞬間、彼の感応機能は微かに震えを帯びた。
この星にはまだ「緑」が残っていた。密林の名残、川辺を覆うマングローブ、海に広がる鮮烈なサンゴ礁―惑星オルビタルの記憶を映すかのような光景がそこにあった。
そして表示された古いデータの中に、「ノド(Nodo)」という出身地の名が記されていた。
どうやら、この星の民は、母なる惑星オルビタルの“かけら”を今なお受け継いでいるらしい。
それは、失われた過去の残響であり、同時に新たな希望の兆しでもあった。
続く。

○全話の要約

反クォンタム存在ノヴェル・ミライは二万年前に見た惑星エアルトの海を追い、惑星ナックセルへと新たな探索を決意する。

○次話(第3話)の予告

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