66. 新シャーロック・ホームズ

アルカディアの遺言
  1. 新シャーロックホームズ

ファウンデーションの夢
第八部 アルカディアの遺言
第9話

銀河の黄昏を照らす星々の下、アルカディアは静かに語り始めた。
その声は、古代の記憶を呼び覚ますように澄み渡り、ミーターの金属の心臓にまで響いた。

「ミーター . . . あなたに託したいものがあるの。」
彼女の掌に輝いていたのは、二つのシリンダーペンダント。
それは三百五十年以上もの時を超え、ウォンダとベリス――二人の女祖から代々の女性たちへと受け継がれてきた秘宝だった。
ただの装飾ではない。宝石は語りかけに応じ、迷える魂に最善の道を示す“記憶の魔法”を宿していた。

ミーターは眉をひそめ、機械の声に人間的な反発を滲ませた。
「何を言ってるんだ。僕は枯れても男だ。そんなもの、軽々しく承知できるわけがない!」

アルカディアは微笑み、星雲のように柔らかく答えた。
「いいのよ、ミーター。ある時期まで――その宝を受け継ぐ女性が現れるまで、あなたに守ってほしいの。」

「アルカディア . . . いつだ? 誰に? どうやって?」
問いかけるミーターの声は、銀河の虚空に響く探偵の問いのようだった。

「よく聞いて。時が来れば、自然とわかるわ。心配しないで。」
アルカディアの言葉は、未来を予言するかのように静謐だった。

しかしミーターはなおも食い下がる。
「だが、そのペンダントやらシリンダーやらが何なのか . . . どういういきさつで君に伝わったのか、詳しく教えてくれなきゃ考えようもない。僕には僕の流儀がある。ロボットとしての誇りだってあるんだ。」

アルカディアはその姿を見つめ、深い安堵の息を漏らした。
「わかったわ、ミーター。あなたはもう、一人立ちできる銀河の英雄になったのね。」

ミーターは胸を張り、誇らしげに宣言した。
「えっへん! ダレル家の新シャローック・ホームズ――それが、この僕、ミーターだ!」

星々はその瞬間、彼の名を祝福するかのように瞬いた。
銀河の遺産は、今まさに新たな探偵の手に委ねられようとしていた――。

つづく

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