2. Synnax

ダニールの地球探索

  1. 第2話 Synnax
    ファウンデーションの夢

二万年後の銀河へようこそ。

かつて存在した「地球の面影」は、なぜ、そして誰によって消されたのか。

無数の星系を束ねた銀河文明の中で、一体のロボットがただひとつの目的に生涯を費やしていた。

その名はR・ダニール・オリヴォー。

人間のように思考し、苦悩し、そして記憶する存在。彼の旅は、アイザック・アシモフが夢見た未来からさらに二万年を経て始まる、「ファウンデーションの夢」シリーズの第一部、その第2章である。

「呆れたものだ . . . 。

自分で葬った歴史を、再び掘り起こさねばならぬとはな。」

ダニールは、自嘲の笑みを浮かべながらつぶやいた。

彼の内部記憶には、かつてハリ・セルダンから託されたもうひとつのプライム・レイディアントと、銀河最高級のデータチップが収められている。

だが、それほどの資源をもってしても、地球の痕跡を探り当てるのは困難を極めた。

ダニール自身の記憶装置の余命は、あと五百年。

彼は千を超える星系を渡り歩き、ついに水に抱かれた辺境の惑星にたどり着いた。

その名はシンナックス(Synnax)。

名前を耳にした瞬間、彼の感応機能は微かに震えを帯びた。

この星にはまだ「緑」が残っていた。密林の名残、川辺を覆うマングローブ、海に広がる鮮烈なサンゴ礁―地球の記憶を映すかのような光景がそこにあった。

そして表示された古いデータの中に、「ニフ(Nif)」という出身地の名が記されていた。

どうやら、この星の民は、母なる地球の“かけら”を今なお受け継いでいるらしい。

それは、失われた過去の残響であり、同時に新たな希望の兆しでもあった。

続く。

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