7. 知恵の実と命の実

ガイア

7. 知恵の実と命の実

二万年後の銀河シリーズ
第1弾 ファウンデーションの夢
第二部 ガイア
第2話 知恵の実と命の実

ダニールは深い思索の海に沈みながら、目の前に座るレオナルドを見つめていた。銀河の歴史の中で、ヘリコン人の起源に関する興味深い逸話はいくつもある。だが、地球時代の遺産として何が最も重要か—その問いに対する答えは、彼の計算にはなかった。

「レオナルド、ヘリコン人の地球時代の遺産は何かな?」

レオナルド・エンノビエッラは穏やかに微笑むと、端末を操作しながら言った。

「22世紀の歴史思想家、ジョン・ナックの著書に面白い記述がある。彼はこう述べている—『私の独断かもしれないが、20世紀ほど画期的な時代はなかった。それはその後の宇宙開発時代を切り開いた偉大な三人を生んだからだ。その中でもピーター・フェルディナンド・ドラッカーが優れていると言いたい。なぜなら、彼はニフ人の中に他の民族にはない光明を見いだしていた。かの民族は多くの脆弱さにもまして、一つの秀でた能力を有していた。』」

「光明とは何か?」ダニールは即座に尋ねた。

「それについては、ナックが引用したある神話が示唆している」とレオナルドは続けた。「曰く——神は偉大な頂きの麓、清らかな川の辺りにニフ人とヘリコン人の先祖を呼び寄せ、二つの苗木のどちらかを選ばせた。彼らはそれまでは同じ民だった。知恵の実のなる苗木を選んだグループは西へと旅立ち、命の実の苗木を選んだ者たちは東へと移り住んだ。」

「興味深いな。」とダニールは考え込む。「これは比喩だろうか? それとも歴史的事実が変容したものか?」

「ナックは巧妙に奈良氏の文章を引用し、この神話が歴史思想にどのような影響を与えたかを分析している。彼は、ヘリコン人の起源が単なる文化的分岐ではなく、知性と生命の選択という根源的な二元性に基づいていると主張しているのだ」

レオナルドはひと呼吸置き、視線をダニールに向けた。

「さて、ダニール、わたしにも貴方にお訊きしたいことがある。よろしいでしょうか?」

ダニールは静かに頷いた。

次話につづく . . .

筆者注:
「わたしにも貴方にお訊きしたいこと」の意味

この一文の意味は、レオナルドがダニールに対し、ある重要な問いを投げかけようとしていることを示唆しています。文脈から考えると、これはヘリコン人の知恵の選択と、ガイアの集合意識との関連性についての深い問いかもしれません。あるいは、ダニールの計画そのものに対する根本的な疑問、もしくは歴史の解釈に関する哲学的な問いかもしれません。次話でその問いが明らかになることで、物語の展開にさらなる深みが加わるでしょう。

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