14. 影の現れ

ウォンダとガールの地球探訪

第4話 影の現れ

エピソード14 影の現れ ファウンデーションの夢 第三部:ウォンダとガールの地球探訪 第4話

しばらくの拘束を経て、ガール・ドーニックは釈放された。トランターの空気は相変わらず重く、光さえも警戒心を帯びて降り注いでいるようだった。だが、彼の足取りには決意が宿っていた。やがて彼は、ふたたびハリ・セルダンと対面することになる。心理歴史学の創始者であり、銀河の未来を見通す男。そのまなざしはかつてよりも深く、そして何か決定的な覚悟を秘めていた。

ハリは静かに口を開いた。

「ガール、君には計画の中核を担ってもらう。ファウンデーション──その第一の拠点、ターミナスの首都モーヴの建設に、君の才能が不可欠だ。」

一瞬、ガールは言葉を失った。だが、ハリはさらに続ける。

「モーヴの原型はワイ市だ。あの都市の形状、構造、そして人間の動線に至るまで、すべてが心理歴史学の礎となるヒントを秘めている。私がドースとレイチを連れて最後に隠れた場所、それがワイだった。」

ハリの眼差しは過去を見つめていた。そこには懐古ではなく、未来への布石としての過去があった。

「あの時、ワイの首領は軍事的手段によるクーデターを企てていた。私はその動きを裏から誘導し、事前にその計画を潰した。そして、宰相が責任を取って引退する形に仕向け、次代の後継者として私が推薦されるように導いた。」

ガールは静かに頷いた。だが、ハリの言葉には続きがあった。より深い闇の中へと踏み込むような──。

「その目論見の失敗を分析することが、ファウンデーション計画の設計に大きな示唆を与えた。そして五番目には . . . デマーゼルは . . . 」

その瞬間だった。二人の背後から、影のようにぬるりと男の声が割って入った。

「ハリ、そこまでだ。それ以上は話す必要はない。」

振り返ると、そこにはチェッター・ヒューミンが立っていた。トランターの政治的影として知られる謎の男。だが、ガールはその姿に驚愕した。

「ヒューミンさんじゃありませんか! どうして、ここに . . . !?」

沈黙が空間を満たす。ヒューミンのまなざしは冷徹でありながら、どこか悲しみを含んでいた。何か、重大なものがいま封じられたのだ。

次話につづく . . .

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