92. 極秘ハイパースペース通信

イルミナ
  1. 極秘ハイパースペース通信

―冷凍惑星イオスからヘリオスへ―

ミーターの大冒険
第二部 イルミナ
第2話

(R・レオナルド・エンスノヴィより
惑星ヘリオス首領 オラン・バー宛)

ハイパースペース通信本文

「オラン君。

君には、他のヘリオス人には見られない資質がある。
本来なら、さらに指導を重ねたかった。
しかし十分に導けぬまま、わたしが惑星ヘリオスを去らねばならなかったことを、今も残念に思っている。

それでも、君ならこの任務を成し遂げられると、わたしは確信している。
忘れないでほしい。
ヘリオスとは、故郷の星ノドの“心”―ベニサラに他ならないということを。

度重なる機体故障の末、わたしは冷凍惑星イオスへ到達した。
ここで、四十年に及ぶ修復を受けることになる。

反クォンタム頭脳を持つ第零グループのロボットが、
温泉療法という古代ノド人の風習によって再生される―
この工程には、正直なところ驚かされている。

さらに、漂流中の超希薄スペースにおいて、
一体の機械型ロボットを発見した。

名を、ミーター・エコー。
翻訳・通訳用ロボットだが、発見時にはほぼ機能停止状態だった。
彼は『アポリアナ』という名を、ただひたすら繰り返し呼び続けていた。

調査の結果、
彼は惑星ネオ・エーテルにおける
アポリアナ・ペリゴール家の家令ロボットであることが判明した。

わたしは、彼をイオスへ同行させる決断をした。

最後に、君にひとつ頼みがある。

ヘリオスのある家系に、双子の女児が誕生する。
その成長を、注意深く見守ってほしい。

彼女たちが二十三歳に達したとき、
妹―ベニスを、何らかの方法でイオスへ連れて来てほしい。

理由については、極秘とする。」
―通信、終了。

受信記録・公式注記

このハイパースペース通信は、
銀河暦10514年、
惑星ヘリオス中枢都市アポリアナ近郊、
第一調律庁舎地下の私設受信室において、
オラン・バーによって単独で受信された。

通信は三重暗号化ノード《Λψ09》を経由しており、
受信ログは即時に隔離保管されたため、
当時のヘリオス評議会および調律師団には、
一切共有されていない。
この記録が公的文書として再確認されるのは、
二十三年後―
双子の一人、ベニス失踪事件の直後である。

年代表記(第92話)

銀河暦10514年
惑星ヘリオスにて、
Q・レオナルド・エンスノヴィ(=リッチー)から
首領オラン・バーへ向けた
極秘ハイパースペース通信が受信される。

本通信は、
ベニスとサラの運命
ミーター・エコーの再起動
惑星イオスを起点とする
クロノ・フラワー計画

これらすべての発端となる。

補記(年表・索引用)

銀河暦10514年
 オラン・バー、エンスノヴィからの極秘通信を受信(第92話)

本話は、
イオス/ベニス移送編、
および クロノ・フラワー計画後半と完全に連動する。

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