ミーターの大冒険 余白 第5話 失業者・難民問題
ハニス ヴァレリーさん、この地球に来て、気づいたんだがね、今、全銀河からお上りさんというか、悪く言うと、旅行者ならまだしも、難民が無制限に移民してきて、ごった返している。これでは銀河復興どころではない。言い様によっては銀河の破滅としか見えない。
ヴァレリー そうですよね。ミーターさんたちの、地球復興は歴史遺産の再建から、は正しかったんですが、ここまで無秩序で貧困と犯罪が常態化しているのは非常時宣言を出さないと、ホントに危なくなりますよね!
ハニス まったくだ。銀河新政府に頼んで、地球入星を一時制限してもらうほかないらしいな。
ヴァレリー でも、それをすると、折角全銀河の人びとの夢や希望を打ち砕くことになってしまいますよね。
ハニス それもそうだ。
ヴァレリー君、ひとまずこの難問に解決の糸口でも見いださないと、我らの全銀河ノマド計画も絵に描いた餅になってしまいそうだ。ここまで築いて来た俺の沽券にもかかわるってもんだ。
ヴァレリー そうですよ。この地球の現状を解決できないで、他の星に再生の希望なんておこがましいですからね。
ハニス そうと決めれば、どこから手をつける、ヴァレリー助手?
ヴァレリー そうですね。まず現状把握ですね。彼ら難民は、ここ50年で、銀河内の星々の住民の生活状況が急激に悪化したためと思われます。
彼らは概して彼らの星で中堅階級以下で、その星で重要なポジションに就いているのでもなく、底辺で暮らしていた人たちです。そして彼らは十分な教育も職業訓練も、特殊能力も持ち合わせてない、と。
ハニス たしかにその通りだ。
まず、とりあえずコンパー君に頼んで、時限立法的に、地球入星の施策を緊急にとってもらうように頼むとしよう。
ヴァレリー コンパーさん?
ハニス そうさ、彼は今、サンタンニで初代再生銀河の筆頭執行者だ。ムン・リ・コンパー君だよ。俺の仲間の一人さ!
彼は、銀河内諸惑星の貧困問題に取り組んでいる。
我らの情報発信と彼とのやり取りはしっかりと君に担当してもらおうじゃないか?
ヴァレリー はあ、そう来ると思いました。やれやれ!
『余白』の前作『ファウンデーションの夢』及び『ミーターの大冒険』をご覧になりたい方はこちらからお入りください。
□
コメント