ミーターの大冒険 余白 第7話 職業訓練所
ヴァレリー 「地球の失業者・難民問題」の総括責任者のハリスさん、そのお顔では、解決策の戦略はきっとありそうですね。
ハリス そうだ、大丈夫。十分に満足が得られる結果なはずだ。
ヴァレリー さすがですこと。ミーター様のお株を取ってしまわれますね。十分信頼致しております。どうぞその戦略、つまりブルーオーシャン
戦略・理論ですね。その中身をお教えくださいまし。
ハリス 君の方こそ、さすがだね。俺がブルーオーシャン理論を考えて、ここにやって来たと既に察知しているんだからな。
それを言う前に、まずこの青々した海の問題から、その方策を述べてみよう。
まず、この海だがな。こっちの方から、取り掛かれば、自ずと人間様の問題解決に繋がるということだよな。
ヴァレリー はあ、海は綺麗ですが、魚がいない。そもそも海の産物は地球太古には溢れるばかりにいたのですからね。ハリスさんはそこのところから解決される、というのですね。
ハリス 左様。海洋漁業と言えば、アルファだね。アルファの知恵者モノリー長老に既に連絡をとっている。アルファの海の全種類の海洋生物は、太古の地球海洋から運ばれたものだ。だから、そのまま、地球に戻せばいい。全部モノリーさんが手配してくれる。
ヴァレリー君、魚のいない海。そこに魚を住まわせる。それがブルーオーシャン理論の始まりだ。
ヴァレリー ハリスさん、海で巧くいくものでも、陸ではどうでしょうねぇ?
ハリス 人間様でも同じ理論で行けると踏んでる。
ヴァレリー そう行けばいいのですがね?
ハリス なんさないさ。危惧するには及ばない。押し寄せる移民や難民が何万人来ようが、対処する方法はある。心配はいらない。
ヴァレリー 今言われました漁業に従事する人、銀河内から押し寄せる観光客相手の観光業に従事する求人を足しても、移民・難民の数には及びませんよ。
ハリス ヴァレリー君、ブルーオーシャン理論の必要性はどこにあるのかね?
ヴァレリー レッドオーシャンの社会に新風と活力を与えるため、人がやってない需要を造り出す、ということです。
一からその難民・移民を教育していてもちっともその領域には達しないと思うのですが。
ハリス そうであろうか?一人一人が、もしその人独自の特殊技能があれば、どうであろう。
ヴァレリー ハリスさん、そういうのを誇大妄想狂っていうんですよ。
でも、またハリスさんの得意な秘策とやらがあるのですね。
ハリス 図星だ。普通の一般人を特殊技能のエキスパートに変えられる秘策は、「精神感応力」の養成にある。
それを機能させるためにハリ・セルダンの秘密兵器をお借りする。そのためにハリ・セルダンはおつくりになった。
ヴァレリー まあ、第二ファウンデーションのことでしょうか?
ハリス そうだ。彼らは多くて何千人しかいないが、その何千人が訓練を施した何万人の職業訓練指導者を育成していけばいい。おそらく一人、数千人を同時に指導できるであろう。しかも一人づつ違う才能を涵養して、その人にしかできない技能をもって新しい社会を動かしていく。無限の富を生む無限の種類の職業が生まれる。
ヴァレリー まあ、ハリスさんの完全復活のアイデアですね。
そうして、彼らのブルーオーシャンは、銀河全域に広がっていくという構想なのですね。
ありがとうございます、ハリスさん。
まさにこのブルーの光に包まれたセーシェルの海がとてもいとおしく思われますこと!
ハリス そうなんだ、ヴァレリー君。この理論はミーター君と学んだ、「宇宙潮流」理論から生まれたんだよ!
そしてここ地球のセーシェルに中央施設をつくる!
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