ミーターの大冒険 余白 第10話 地球危機世紀
ハニス コンパーは新しい銀河の文明の「標準時間軸」の新構想を俺に頼んだ。
ヴァレリー まだよく理解できませんけどね。丁寧に教えてください。
ハニス かつてダニール・オリヴォーが地球探索に赴いた時があった。今から約500年よりちょっと前の時、ハリ・セルダンから借りた極素輻射体とシンパシック・ハーヴェイ号のコンピューターとの融合体からR・レオナルド・センノビアエラをつくった。
そのR・レオナルドは過去の地球の鋼鉄都市時代より遥か前の時代について極素輻射体の機能で過去の地球時代を照射した。
ヴァレリー まあ、私も興味ありますよ。過去の地球に!
ハニス 彼は地球誕生期から鋼鉄時代までスキャンしたんだ。
そうしたら、地球人類が一番彼らの創造性を極度に上昇させたある時代にフォーカスが当てられた。
ヴァレリー ますます、興奮。それで?
ハニス 人類が2陣営に別れて互いに殺し合う時代になってしまった。あげくには原子爆弾でニフ人を殺戮した。
ヴァレリー まあ、残酷!最悪!
ハニス その出来事が地球人類にとって最悪の経験ともなって、争いのない地球を模索しはじめたんだ。
ヴァレリー ええと、データが出て来ました。二回続けて世界大の戦争が起こった時代ですね。
ハニス それとともに人類の故郷喪失の危機がさらに拍車をかけた。
ヴァレリー と申しますと?
ハニス 当時の人類は、はじめて自分たちの存在の意味を根底から問いはじめたのだよ。
そこで、はじめて彼らの住んでいる地球の有限性を意識しはじめたんだ。
消費文明の末路としての環境破壊や科学万能主義の結末、原子力やエネルギー問題、人口爆発や食料、難民問題、水問題。それらの負荷に耐えきれない状況が浮き上がってきたんだ。
その反動としてのスピリチュアリズムの流行、外宇宙への希求。
それらの問題の勃発を、ある哲学者は、「人類危機カンブリア紀」と呼んだ。
To be continued …
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